「無職だと賃貸への引っ越しはできないのかな…」「無職だから賃貸が借りられない」
無職での引っ越しに対して、このような不安を抱えていませんか?
本記事では、無職でも賃貸に引っ越しできるのかについて詳しく紹介していきます。
預貯金審査に必要になる貯金額なども解説しているのでぜひ参考にしてください。
- 無職の場合は預貯金審査か代理契約、連帯保証人を立てる方法で賃貸契約が可能
- 預貯金審査では家賃2年分以上の貯金が必要
- 審査では今後の働く意思や支払い能力の有無などがチェックされる
目次
【結論】無職でも賃貸に引っ越せる!
結論から書くと、無職でも賃貸に引っ越せます。
なぜなら、職業や収入ではなく貯金額で審査を受ける方法や、代理契約などの方法が用意されているからです。
無収入なことから賃貸のように金額の大きい月額契約は結べないと考えている方が多いですが、貯金があるなら無職本人でもアパートを契約できます。
また人によっては貯金もないケースもあるかと思いますが、その場合は両親や兄弟に代理で契約者になってもらうことでアパートへの引っ越しが可能です。
無職だからといってそれだけで賃貸が絶対に借りられないわけではないので安心してください。
賃貸に引っ越す具体的な方法については、次の章で詳しく解説していきます。
無職で賃貸に引っ越す方法
無職で賃貸に引っ越す方法としては、下記のような方法があります。
賃貸に引っ越す方法
- 預貯金審査を受ける
- 安定収入のある親族に代理契約をしてもらう
- 十分な収入のある親族に連帯保証人を頼む
貯金がある場合は自分で契約してアパートに引っ越せます。
貯金に余裕がない場合には、親族に代理契約を結んでもらうか連帯保証人になってもらうことで賃貸契約が可能です。
預貯金審査を受ける
自分が契約者となり賃貸を契約する場合は、預貯金審査を受けることになります。
預貯金審査とは、預貯金残高で支払い能力を判断してもらえる審査方法です。
預貯金審査では職業や収入状況を一切問われませんが、代わりに審査に通過するためにはおおよそ家賃2年分相当の貯金が必要になります。
預貯金審査に必要な貯金額の目安
- 家賃3万円の場合 貯金72万円
- 家賃4万円の場合 貯金96万円
- 家賃5万円の場合 貯金120万円
安定収入のある親族に代理契約してもらう
無職でも貯金がある場合は自分が契約者となれますが、どちらもない場合には自分での契約は不可能に近いです。
貯金もない場合には、安定収入のある親族に頼んで代理契約を結んでもらうことを検討してみましょう。
代理契約とは、実際にお部屋に住む人とは別の人が契約者となる契約方法のことです。
代理契約の場合、親族の収入・職業で審査が受けられるため、無職でもお部屋を借りられます。
また、自分で審査を受けるよりも圧倒的にお部屋の選択肢が広がるというメリットもあります。
無職の場合、代理契約を結ぶ方法が最も簡単なため、親族を頼れる方は契約だけでも頼めないか確認してみましょう。
十分な収入のある親族に連帯保証人を頼む
最近では賃貸契約で保証人を立てるケースは減り、代わりに保証会社の利用が一般的になってきました。
しかし、無職の場合は保証会社を利用する場合にも連帯保証人を立てるよう求められるケースが大半です。
なぜなら、無職は支払い能力が低いからです。
連帯保証人も立てられないとなるとお部屋の選択肢がより狭まってしまうため、可能な限り親族に連帯保証人を任せるようにしましょう。
なお、連帯保証人は原則近しい親族しか認められません。
無職が賃貸に引っ越す際にチェックされる審査項目
賃貸に引っ越す際の入居審査では、主に下記のような項目がチェックされます。
引っ越す際にチェックされる審査項目
- 信用情報に傷がないか
- 引っ越し後に働く意思はあるのか
- 家賃の支払い能力があるのか
- 身なりや態度からトラブルを起こしそうな人柄をしていないか
賃貸審査は基本的に落ちないと言われていますが、無職の場合は審査が厳しく、落とされる確率が上がるので注意しましょう。
信用情報に傷がないか
一部の審査が厳しい保証会社を利用する場合には、信用情報に傷がないかチェックされます。
過去に家賃の滞納や携帯電話料金の滞納、クレジットカードローンの滞納などをして信用情報に傷がある場合は落ちる確率が上がるので注意しましょう。
信用情報の傷のチェックは、一部の審査が厳しい保証会社だけでしか行われないため、傷がある自覚を持っている場合は審査が緩い保証会社に変更してもらうことがおすすめです。
信用情報をチェックされる可能性がある保証会社
- オリコフォレントインシュア
- 株式会社エポスカード
- 株式会社アプラス
- 株式会社セゾン
引っ越し後に働く意思はあるのか
無職の場合、引っ越し後に働く意思があるのかをチェックされます。
これは口頭で働いていない理由と今後は働く意思があるのか聞かれるだけのため、必ず働く意思があると説明するようにしましょう。
大家さんや管理会社は働く意思のない家賃滞納リスクが高い人をわざわざ住ませたいとは思いません。
実際には働く意思がなかったとしても心の内がバレることはないため、現在就活中などと答えてください。
また、働いていない理由も「病気で働けない」や「働きたくない」などのマイナスな理由はおすすめできません。
やりたい仕事が見つかり転職活動中のためなどと説明するのが無難です。
家賃の支払い能力があるのか
審査では支払い能力があるのかを確実にチェックされます。
これは貸した後で家賃を滞納されないためです。
自分が契約者となる場合は、2年分の家賃以上の貯金が必要になり、両親などの親族に契約者となってもらう場合は家賃の3倍以上の月収が必要になると考えると良いでしょう。
仕事がなく無収入でも貯金があるなら審査の通過が可能なため、安心してください。
貯金もない場合には、両親に契約者となってもらうか先に仕事を見つけることがおすすめです。
引っ越しには20~40万円前後の費用が掛かるため、貯金に余裕がない場合はあらかじめ初期費用などを良く計算しておくようにしましょう。
身なりや態度からトラブルを起こしそうな人柄をしていないか
不動産屋に来店した際の身なりや態度も審査項目の1つです。
なぜ身なりや態度がチェックされるのかというと、振る舞い方や服装には人柄が現れるからです。
非常識だと思われるような態度をとったり不潔な服を着ていくと審査に落とされる確率が上がるので注意しましょう。
落とされたくない場合は、相手を不快にさせない対応や身なりの清潔感に気を配る必要があります。
相談や内見のタイミングだけで良いので、悪い印象を持たれないようにしてください。
なお、最近ではメールで相談を行うケースも増えてきましたが、メール相談時も対応に注意することがおすすめです。
無職が賃貸に引っ越す際に必要な物【書類・費用】
引っ越す際に必要になる書類・費用を一覧形式で紹介します。
人によっては違うケースもあるため参考としてお考えください。
引っ越しに必要な物
- 印鑑
- 住民票の写し
- 本人確認書類
- 連帯保証人の書類(住民票・収入証明書)
引っ越しにかかる費用
- 引っ越し費用 3~7万円
- 敷金 家賃1か月分
- 礼金 家賃1か月分
- 仲介手数料 家賃1か月分
- 前家賃 家賃1か月分
- 火災保険料 1~2万円
- 初回保証料 2~5万円
- 鍵交換費用 1~2万円
連帯保証人を立てる場合は、自分の書類だけでなく連帯保証人の書類も必要になることを覚えておきましょう。
引っ越しにかかるトータルの費用は、単身の場合20~40万円ほどです。
賃貸への引っ越しを考えている無職の人におすすめの物件
無職のまま引っ越しを検討する際は、初期費用が抑えられる物件や家賃が安い物件を選ぶことがおすすめです。
そういった物件を選ぶことで、引っ越しにかかる出費を大きく抑えられます。
おすすめの物件
- 敷金・礼金・仲介手数料が全て無料の物件
- マンスリーマンション
- UR賃貸住宅
- セーフティーネット住宅
下記からは、それぞれの物件について詳しく説明していきます。
敷金・礼金・仲介手数料が全て無料の物件
おすすめの物件1つ目は、「敷金・礼金・仲介手数料が全て無料の物件」です。
敷金・礼金・仲介手数料はそれぞれ家賃1か月分取られることが一般的なため、それらが全て無料の物件を選べば初期費用を10万~20万円程度節約できます。
収入が0の場合、しばらくは貯金を切り崩して生活することになるため、極力初期費用が抑えられる物件を選ぶことがおすすめです。
また、敷金・礼金・仲介手数料が全て無料の物件は、大家さんが入居者を早く決めたいと考えてキャンペーン価格で提供しており、審査が緩い傾向があります。
無職でも審査に受かる可能性が高いことも魅力です。
マンスリーマンション|審査なしで借りられる
おすすめの物件2つ目は、「マンスリーマンション」です。
マンスリーマンションとは、一般的な賃貸とは違い契約時に住む期間を決めて入居するタイプの賃貸です。
最初に住む期間を決めて、その期間分の家賃を一括で前払いする必要があります。
最初に費用を前払いするため、お金さえ払えれば審査なしで借りられます。
最大でも1年ほどしか滞在できないことや、住民票を移せないことなどのデメリットもありますが、無職でも簡単に借りられることが魅力です。
UR賃貸住宅|一定の基準を満たせば借りられる
おすすめの物件3つ目は、「UR賃貸住宅」です。
UR賃貸住宅とは、UR都市機構が提供している礼金・仲介手数料・保証人が不要な賃貸のことです。
UR賃貸では、無職の人の入居条件が明かされており、設けられた条件さえクリアできれば入居できます。
無職で入居する場合の条件
- 1年分の家賃を前払いで支払う
- 家賃の100倍以上の貯金があることを証明する
上記の条件の内どちらか片方をクリアする必要があります。
家賃が5万円だと仮定した場合、前払いには60万円、貯金の証明には500万円必要です。
どちらを選んでも問題ありませんが、前払いの方が少ない貯金でクリアできます。
セーフティーネット住宅|格安価格で借りられる
おすすめの物件4つ目は、「セーフティーネット住宅」です。
セーフティーネット住宅とは、高齢者や障害を抱えている方、低所得者などを受け入れている賃貸のことです。
低所得者でも借りられる家賃が安い物件が多く、住居費を安く抑えられます。
国が運営している「セーフティーネット住宅情報提供システム」というサイトから一括で空き部屋を探せるため、お部屋探しの際はぜひ覗いてみてください。
なお、セーフティーネット住宅に登録されている物件は不動産屋などでも紹介しています。
無職で賃貸へ引っ越すことについてよくある質問
最後に無職でアパートへ引っ越すことについてよくある質問をまとめて紹介します。
今回紹介するのは、下記の5つの質問です。
よくある質問
- 預貯金審査で1000万必要だと聞きましたが本当ですか?
- うつ病で無職ですが賃貸を借りることはできますか?
- 貯金が300万円あれば無職でも賃貸を借りられますか?
- 100万~200万円あれば無職でも預貯金審査を突破して賃貸が借りられますか?
- 賃貸契約中に無職になったら追い出されますか?
無職で賃貸を借りるなら預貯金審査で1000万必要だと聞きましたが本当ですか?
嘘です。
無職の場合、預貯金審査になるのは本当ですが、1000万円もの貯金がないと受からないという話は完全な嘘です。
預貯金審査に必要になる預貯金額の目安は、おおよそ家賃2年分と言われています。
家賃3万円の物件であれば72万円、家賃4万円の物件であれば96万円の貯金があれば十分です。
もしも不動産屋に相談に行った際に1000万円必要だと言われたのであれば、その不動産屋では預貯金審査が可能な物件を取り扱っていないと考えて他に相談に行くと良いでしょう。
うつ病で無職ですが賃貸を借りることはできますか?
うつ病で働いていなくてもアパートは借りられます。
ただし働いていない場合は貯金額で審査を受けるため、100万円程度の貯金が必要になります。
貯金が無い場合は親族に代理契約を結んでもらうことやアリバイ会社の利用を検討してみましょう。
なお、うつ病のように精神疾患を患っている方は審査で落とされやすいため、仕事をしていない理由は転職活動中などとし、うつ病であることは話さないことがおすすめです。
審査で病気の有無などはチェックされないため、話さない限りうつ病持ちだとバレることはありません。
貯金が300万円あれば無職でも賃貸を借りられますか?
貯金が300万円もあるのであれば、職無しでも預貯金審査を通過し賃貸を借りられます。
審査に必要なのは2年分の家賃程度の貯金のため、300万円あるなら支払い能力が原因で審査に落ちることはないでしょう。
ただし審査では貯金額以外にも、過去のトラブル歴や滞納歴、身なりや態度などをチェックされるため300万円あれば必ず審査に通過できるとは限りません。
借りられる賃貸は必ずあるけれど、審査で落とされる可能性もあると考えておくと良いでしょう。
100万~200万円あれば無職でも預貯金審査を突破して賃貸が借りられますか?
100万円以上の貯金があるなら仕事が無くても賃貸を借りられます。
預貯金審査に必要になるのは家賃2年分程度の貯金のため、100万円あるなら家賃4万円のお部屋まで借りられると考えられます。
貯金額は十分ですが、審査では貯金額以外にも過去のトラブル歴や身なり、信用情報などがチェックされます。
そのため、探せば借りられる物件はありますが、審査に落ちるケースもあるので注意しましょう。
新居探しには時間がかかる恐れがあるため、引っ越し期日が決まっている場合は早めに部屋探しを始めることがおすすめです。
賃貸契約中に無職になったら追い出されますか?
賃貸契約中に職を失っても、基本的に追い出されることはありません。
なぜなら大家さんが入居者を追い出すためには、正当な理由が必要になるからです。
職を失っただけであれば追い出せる正当な理由にはなりません。
近隣トラブルを起こしたり家賃を滞納したりすると追い出されてしまうため、仕事を失った場合はトラブルに注意するようにしましょう。
なお例外として、定期借家契約の場合は大家さんの任意で更新拒否が行えるため、更新のタイミングで追い出される可能性があります。
【まとめ】無職や休職中でも賃貸に引っ越しできる?
無職や休職中で収入が0だったとしても、賃貸への引っ越しは可能です。
100万円前後の貯金があるなら自分が契約者となって契約できますが、可能なのであれば親族に代理契約を頼むことがおすすめです。
働いていない本人が契約者となるよりも、やはり仕事に就いている方を契約者にした方がお部屋の選択肢が広がります。
気に入ったお部屋に住みたいと考えている場合は、親族を頼ることも検討してみましょう。
親族が頼れない場合には、アリバイ会社を利用することもおすすめです。
引っ越しは簡単に行えますが、一度で20万円近くの費用が掛かるため後悔しないようよく考えてから行動に移しましょう。