最近CMで目にする機会が増えてきたUR賃貸住宅。
礼金・仲介手数料・更新料無料と宣伝を行っていますが、無職でも借りられるのでしょうか?
本記事では、UR賃貸住宅が無職でも借りられるのかについて詳しく紹介していきます。
条件だけでなく、メリットやデメリットについても紹介しているのでぜひ参考にしてください。
- 無職の場合は1年分の家賃の前払いか、家賃の100倍の貯金の証明が必要
- 保証人は不要だが緊急連絡先が必要
- U35割やURライトは家賃が割引されてお得だけど更新が行えないので注意
目次
【結論】UR賃貸は無職でも借りられる
結論から書くと、契約段階で無職でもUR賃貸は借りられます。
なぜなら、UR賃貸では無職や生活が苦しい方を支援する制度が用意されており、まとまった貯金さえあれば審査を受けさせてもらえるからです。
一般的な賃貸住宅は無職というだけで審査を断られますが、UR賃貸であれば無職のまま再就職先を見つける前にお部屋の相談を行ったとしても貯金次第で審査を受けさせてもらえます。
貯金に関しては厳しい基準がありますがその他の審査は緩いため、貯金があるからすぐにでも引っ越し先を決めたいと考えている方に最適です。
UR賃貸は年齢性別問わずどこの地域でも比較的人気が高いため、引っ越しを検討している方は空き部屋を見つけ次第内見を申し込むことがおすすめです。
UR賃貸とは
最近テレビCMでもよく目にするようになったUR賃貸とは、独立行政法人都市再生機構が運営している、礼金・仲介手数料・更新料が全て無料な物件のことです。
団地をリノベーションした物件が多いことから、UR賃貸=団地というイメージを持っている方が多いかと思いますが、最近ではタワーマンションや無印良品やIKEAなどとのコラボ物件も手掛けています。
地域の家賃相場に比べて家賃が安いことやお部屋の広いこと、リノベーション済みで内装がきれいなことから人気が高く、物件によっては常時満室状態を保っている所もあるくらいです。
市営住宅といった役所が運営している団地は入居が抽選で決められましたが、UR賃貸は入居が完全先着順となっています。
無職でUR賃貸を借りる場合の2つの条件
無職でUR賃貸を借りる場合、下記の2つの条件の内どちらか1つをクリアしている必要があります。
無職でUR賃貸を借りる場合の条件
- 1年分相当の家賃を前払いする
- 家賃の100倍以上貯金残高があることを証明する
借りようと考えているお部屋の家賃が5万円だと仮定した場合、1年分の前払いには60万円必要になり、家賃の100倍以上の貯金の証明には500万円必要な計算になります。
2つの条件の内どちらを選択してもデメリットはないため、自分に合った方を選びましょう。
下記からはそれぞれの条件について詳しく紹介していきます。
1年分相当の家賃を前払いする
無職の方がUR賃貸を借りる場合の条件1つ目は、「1年分相当の家賃を前払いすること」です。
無職の場合安定収入がないことから、家賃を支払える証明として、契約前に特定の条件を満たしている必要があります。
用意されている条件はいくつかありますが、中でも最も簡単な条件は「家賃の一時払い制度(家賃の前払い)」です。
一時払い制度の条件
- 1年分の家賃と共益費に初期費用(敷金と日割りの家賃・共益費)を合わせた金額を一括で支払う
- 収入の証明や貯金の証明書は必要なし
収入や貯金の証明などの書類は必要なく、支払いさえできればお部屋を借りられるため、無職の場合には一時払い制度の利用をおすすめします。
なお、家賃を前払いする方法以外にも家賃の100倍の貯金を証明するという条件がありますが、2つの条件を両方満たす必要はなく、片方の条件だけを満たせば契約できます。
家賃の100倍以上貯金残高があることを証明する
2つ目の条件は、「家賃の100倍以上貯金残高があることを証明する」です。
前払いを避けたい場合には、貯金残高を証明する方法でも審査を受けられます。
家賃額ごとに求められる貯金額は以下の通りです。
家賃 | 必要な貯金額 |
---|---|
5万円 | 500万円 |
6万円 | 600万円 |
7万円 | 700万円 |
8万円 | 800万円 |
9万円 | 900万円 |
1つ目の条件の1年分相当の家賃を前払いとは違い、前払いが必要ない分初期費用を大きく抑えられます。
しかし、その分貯金残高があることを求められる点に注意が必要です。
貯金があまりない場合は前払いを、貯金が多く初期費用を抑えたい場合には貯金残価を証明する方法を検討してみると良いでしょう。
なお、どちらを選んでもデメリットはありません。
無職がUR賃貸を選ぶメリット
賃貸住宅はたくさんありますが、中でもUR賃貸を選ぶことには下記のようなメリットがあります。
無職がUR賃貸を選ぶメリット
- 礼金・仲介手数料・更新料が全て無料
- 保証人なしで借りられる
無職で賃貸を借りる場合、保証人を立てるよう求められるケースが多いですが、UR賃貸では無職でも保証人なしで賃貸が借りられます。
事情があり保証人を立てることができない人にとっては好条件なのではないでしょうか?
下記からは、それぞれのメリットを詳しく紹介していきます。
礼金・仲介手数料・更新料が全て無料
無職の方がUR賃貸を選ぶ最大のメリットは、全てのお部屋で礼金・仲介手数料・更新料が無料なことです。
一般的な賃貸では、礼金・仲介手数料・更新料にそれぞれ家賃1か月分の費用が掛かるため、家賃が5万円のお部屋の場合、借りるだけでも15万円初期費用が掛かります。
敷金もかかる場合には20万円以上になることも珍しくありません。
しかしUR賃貸では初期費用は敷金のみのため、初期費用を家賃2か月から3か月分程度で抑えることが可能です。
また、長期的に住み続けても家賃と共益費以外の費用が一切かかりません。
無職で安定的な収入がない場合、引っ越し費用が抑えられるのは魅力的なのではないでしょうか?
保証人なしで借りられる
UR賃貸住宅は「保証人なしで借りられる」ことも無職の方にとってメリットと言えます。
無職のままお部屋を借りる場合、ほとんどの賃貸で保証人を立てるよう求められますが、UR賃貸では無職であっても保証人なしで賃貸契約が可能です。
そのため、契約時に両親や兄弟に契約書を見せる必要がなく、家族に無職であると知られません。
最近では保証人の代わりとなる保証会社を契約すれば保証人を立てずにお部屋を借りられるようになりましたが、無職の場合は保証会社を利用したとしても保証人が必要になります。
保証人を家族に頼むことで無職なことが知られたくない場合には、UR賃貸を検討してみてはいかがでしょうか?
無職がUR賃貸を選ぶデメリット
UR賃貸は人気の高さからもわかるようにメリットが多いですが、実は人によってはデメリットだと感じる部分があります。
UR賃貸を選ぶデメリットは下記の通りです。
無職がUR賃貸を選ぶデメリット
- 初期費用がかさむ物件もある
- 設備が古いケースがある
- 光回線が導入できないケースがある
UR賃貸はお部屋の広さや地域の家賃相場に比べて家賃が安い傾向がありますが、どのお部屋も基本的に築年数が古く設備が昔の物となっているケースが多いです。
設備は新しい物が好みの場合には、適当に決めてしまうと後悔することになるかもしれません。
初期費用がかさむ物件もある
デメリット1つ目は、初期費用がかさむ物件もあることです。
URで無駄に初期費用がかさんでしまうのは、エアコンやコンロ、照明器具などの一般的には最初から備え付けられている備品がない物件です。
エアコンやコンロ、照明器具がない物件を借りてしまうと、引っ越し時に自費で購入する必要があるため、返って初期費用がかさむ可能性が出てきます。
せっかく更新料や礼金、仲介手数料が無料のURを借りても、浮いたお金以上に無駄なコストが発生しては意味がないため注意しましょう。
エアコンやコンロ、照明器具の相場は以下のとおりです。
品名 | 相場 |
---|---|
エアコン | 6~8畳用4~7万円/10~12畳用5~12万円 |
コンロ | 2~3万円 |
照明器具 | 2,000円~5,000円 |
設備が古いケースがある
UR賃貸のデメリット2つ目は、設備が古いケースがあることです。
UR賃貸で貸し出しているお部屋はどこもリノベーション済み団地なことから、内装はとてもきれいで清潔感があるのですが、配管といったの根本的設備はリノベーションが行われていません。
そのため、最近の賃貸とは違う部分が多く、人によっては設備の古さが気になる可能性があります。
URのお部屋を借りる際は、見た目だけでなくむき出しの配管から水を流したときに音が響くことや、お部屋の扉の開閉時に音が響くことなども頭に入れて、借りるか決めるようにしましょう。
光回線が導入できないケースがある
UR賃貸のデメリット3つ目は、光回線が導入できないケースがあることです。
UR賃貸住宅は、建物が古いことから物件によっては光回線の導入が行えないことがあります。
インターネット速度を気にする場合は、事前に光回線が利用できるのかを内見時に確認しましょう。
全てのUR賃貸で光回線が導入できないわけではなく、最近では光回線の導入が着実に進められているため、入居時から光回線の利用が可能なケースもあります。
無職がUR賃貸を借りる流れ
無職でUR賃貸を借りる際の流れを紹介します。
大まかな流れは、下記の通りです。
無職がUR賃貸を借りる際に利用できる裏ワザ
無職がUR賃貸を借りる際に利用できる裏技を紹介します。
UR賃貸はどこの地域でも人気が高いため、借りようと考えている方はぜひ参考にしてみてください。
UR賃貸を借りる際に利用できる裏ワザ
- 営業センターで空室待ち予約ができる
- 入居時期は約1か月まで交渉で遅らせられる
- 各種割引を活用するとお得に入居できる
営業センターで空室待ち予約ができる
UR賃貸は人気が高く空き室がほとんどでないことで知られていますが、UR賃貸に住みたいと決めている場合は今現在空き部屋が無くても、営業センターから空き室待ち予約が行えます。
空き部屋待ち予約を行えば、引っ越しで空き部屋が決まった時点で連絡を貰えるようになります。
そのため、引越までにまだ時間の余裕があり、できればURに住みたいと考えている場合は最寄りも営業センターで予約をすることがおすすめです。
予約は最寄りの店舗まで行かなければいけない手間がありますが、お金は一切かからないためぜひ利用を検討してみてください。
なお、予約をしたからと言って空き室が出た場合には必ずお部屋を借りなければいけないわけではなく、内見をして気に入らなければ断っても問題ありません。
入居時期は約1か月まで交渉で遅らせられる
一般的な賃貸では、契約後1か月以内に入居しなければいけませんが、UR賃貸住宅は交渉次第で入居時期を最大約1か月程度まで遅らせられます。
引っ越しの予定が数か月後に決まっているけど、すぐに引っ越すわけではないことからUR賃貸を諦めようと考えていた方は諦める前に相談に行ってみましょう。
どのお部屋でも確実に1か月入居時期を遅らせられるわけではないため、断られる可能性もありますが相談は無料なため相談してみることがおすすめです。
なお、入居日は家賃の支払い開始日というだけであって、確実にその日からそのお部屋に住み始めなければいけないわけではありません。
各種割引を活用するとお得に入居できる
URでは、家賃が割引になるサービスが用意されています。
割引サービスには、利用条件があり誰でも利用できるわけではありませんが、利用できる割引は活用した方がお得にお部屋を借りられます。
無職の方が利用できる割引サービスは、U35割、URライト、フリーレントの3つです。
U35割は35歳未満の方が利用できる割引サービスで、URライトは契約の更新が行えない代わりに割引価格でお部屋を借りられるサービスです。
利用するのとしないのとでは家賃に差が出てくるため、利用できる割引は確実に活用していきましょう。
UR賃貸を無職が借りることについてよくある質問
最後にUR賃貸を無職が借りることについてよくある質問をまとめて紹介します。
今回紹介するのは、下記の2つの質問です。
よくある質問
- UR賃貸に住むのは恥ずかしいことですか?
- UR賃貸を借りるのに緊急連絡先は必要ですか?
UR賃貸に住むか迷っているという方は、ぜひ参考にしてください。
なお、UR賃貸はどこの地域でも人気が高い傾向があるため、借りようとしたタイミングで必ず借りられるとは限りません。
UR賃貸を借りたい場合は、なるべく早い段階からお部屋探しを始めるようにしましょう。
UR賃貸に住むのは恥ずかしいことですか?
UR賃貸住宅は家賃が地域の相場に比べて安い傾向があることから、住むことは恥ずかしいことだと抵抗感を抱いている方がいますが、実際は全く恥ずかしいことではありません。
なぜなら、UR賃貸はそもそも人気物件だからです。
建物の築年数が古いことや駅から遠い場所にあることなどの理由から地域の相場に比べて家賃が安いですが、それらのデメリットがあっても人気が高く、簡単に借りられないくらいです。
恥ずかしいという見方は偏見であり、ほとんどの方はそのような偏見を持っていないため、周りの目を気にせず検討してみてください。
UR賃貸を借りるのに緊急連絡先は必要ですか?
UR賃貸住宅は一般的な賃貸とは違い借りる際に保証人が必要ありません。
しかし、住んでいる方の身に何か起こってしまった際に備えて、緊急連絡先は必ず必要になってきます。
勤給連絡先を用意することができなければ、収入や就職業況関係なく、契約を断られてしまうので注意しましょう。
勤給連絡先を親族や友人に頼めない場合は、勤給連絡先代行業者の利用がおすすめです。
勤給連絡先代行業者とは、名前の通りお金を払うことで緊急連絡先を貸してもらえるサービスです。
NPO団体や行政書士などの身分がしっかりとした方が運営している代行サービスもあるため、自力で用意できない場合には利用を検討してみてください。
【まとめ】UR賃貸は無職でも借りられる?
本記事ではUR賃貸は無職でも借りられるのかについて紹介しました。
一般的な賃貸であれば、無職というだけで審査を断られることが多いですが、UR賃貸であれば無職でも保証人なしで借りられます。
UR賃貸には、礼金・仲介手数料・更新料が全て無料なことやリノベーション済みで内装がきれいなことなどのメリットがあるため、無職のまま賃貸を借りたい方はURも検討してみることがおすすめです。
本記事が無職のまま引っ越しを検討している方のお役に立てれば幸いです。