最近では賃貸を契約する際に保証人ではなく保証会社を利用するケースが増えてきましたが、保証会社を利用するための審査では何を調べられるのでしょうか?
自分は保証会社の審査を問題なく通過できるのか気になりますよね。
そこで本記事では、保証会社の入居審査では何を調べるのかについて詳しく紹介していきます。
- 保証会社の審査では、勤務先情報・支払い能力・過去の家賃滞納歴などがチェックされる
- 保証会社が必須の物件が増えてきている
- ブラックリストに載っていても審査に落ちるとは限らない
目次
賃貸保証会社の役割と基本情報
賃貸保証会社とは、賃貸の契約者がお部屋の家賃を滞納してしまった際に、代わりに家賃を支払ってくれる会社です。
主に賃貸の契約時に保証人を立てることができない方が利用するケースが多く、最近では大家さん側から保証会社の利用が必須とされているケースも増えてきました。
保証会社を利用するには、契約時に家賃の何パーセントかの料金を支払う必要があり、年単位でも数万円の利用料金がかかります。
保証会社を利用すると、自分が家賃を滞納した際に大家さんに家賃を代わりに支払ってもらうことができますが、代わりに支払ってくれるのはあくまでも立て替えであって、自分がお金を支払わなくてよくなるわけではありません。
賃貸契約と家賃保証会社の必要性
少し前までは、両親のどちらかが保証人となることで、家賃保証会社などを利用せずとも賃貸を契約することが可能でした。
しかし近年家族の関係が希薄な家庭が増えてきていることもあり、家賃保証会社を利用しなければ、そもそもお部屋を借りること自体を断られるケースも増えてきました。
保証会社の利用が必須と記載されていなければ、家族に保証人を頼むだけでもお部屋を借りることができますが、必須と記載されいてる場合は絶対に利用は避けられません。
家賃保証会社が必須の物件が増加している
あまり知られていませんが、実は近年家賃保証会社の利用が必須条件となっている物件が増加しています。
これは、家族関係が薄い家庭が増えてきていることや、高齢者が増えたことが背景にあると言われています。
少し前までは働いている両親を連帯保証人として設定するだけで簡単にお部屋を借りることができましたが、最近では過去に滞納などをしていなくてもお金を払って保証会社を利用しなければ断られてしまうケースが珍しくありません。
家賃保証会社が必須となっている物件は、お部屋探しサイトなどでも備考欄に記載されているため、金銭面などの事情でできれば保証会社を利用したくない方は入居を申し込む前に確認するようにしましょう。
連帯保証人と賃貸保証会社の両方必要な物件もある
お部屋を借りる際は、基本的に連帯保証人を立てるか保証会社を利用するかのどちらかで問題ありません。
しかし一部の厳しい大家さんが管理を行っている物件では、連帯保証人と保証会社の両方を利用する必要があるケースがあります。
保証会社は家族に連帯保証人を頼めない人が利用するサービスと認識している方が多いですが、大家さんが厳しい物件を借りる場合、連帯保証人を立てることができても保証会社を利用しなければいけないので注意しましょう。
保証会社の利用には、契約時と1年単位で利用料がかかります。
保証会社を利用して借りたお部屋に住み続ける限り、お部屋でトラブルなどを起こさなくても毎年1万円~3万円前後の費用が発生してしまいます。
家賃にお金を掛けたくないと考えている場合は、保証人だけで良い物件を選ぶことがおすすめです。
賃貸保証会社が入居審査で調べる内容4つ
保証会社で審査の際に調べられる内容は、会社によって違います。
どこの会社でも調べられることが多い項目は下記の4つです。
賃貸保証会社が入居審査で調べる内容4つ
- 在籍証明書による勤務先の確認
- 収入証明書による支払い能力の確認
- 過去に家賃滞納をしていないか
- 記載されている緊急連絡先に問題はないか
調べる内容①在籍証明書による勤務先の確認
審査で調べられる内容1つ目は、「在籍証明書による勤務先の確認」です。
基本的にどこの保証会社を利用するにしても、在籍証明書に書かれている勤務先情報に嘘がないかは確認されると思って良いでしょう。
在籍証明書とは会社に在籍していることや、在籍していたことを証明する書類です。
お部屋を借りる際は、契約者が家賃を無理なく支払っていけるか、滞納などをしないかをチェックするために、月収・年収と共に勤務先が本当に実在するのかが確認されます。
無職などの事情がある場合にも、勤務先情報で嘘を書いてしまうと必ずバレるので注意してください。
無職や個人事業主のように勤務先が無い方であっても探せば借りられるお部屋はあるため、勤務先が無い方は正直に不動産会社の方に事情を説明することがおすすめです。
不動産屋からの在籍確認には必ず対応する
賃貸契約の際には在籍確認が行われることが多いため、審査を受ける際は事前に勤め先に引っ越しで在籍確認が来る旨を伝え、不動産屋からの電話に対応してもらいましょう。
不動産屋さんからの在籍確認に対応してもらうことができなければ、それを理由に審査に落とされてしまうこともあります。
最近では個人情報保護の観点から従業員からの事前連絡が無ければ在籍確認に応じないケースも増えてきているので、必ず引っ越しの際は事前に事務員に伝えておくことが大切です。
個人事業主のように業務委託形式で働いている方であっても、駐在員などであれば、在籍確認に対応してもらえるケースがあります。
個人事業主は働いていることの証明が難しいため在籍確認を依頼できる取引先がある場合は、頼むことがおすすめです。
調べる内容②収入証明書による支払い能力の確認
審査で調べられる内容2つ目は、「収入証明書による支払い能力の確認」です。
賃貸契約の際には、大家さんは絶対に家賃を滞納されたくないと考えているため、収入証明書から支払い能力を必ず確認してきます。
収入証明書という名前の書類はなく、収入を証明できる書類には下記のようなものが当てはまります。
収入を証明できる書類
- 源泉徴収票
- 給与明細書
- 確定申告書
- 支払調書
基本的には、上記の中から1点の提出を求められることが多く、給与明細書のように毎月発行される書類の場合6か月以内に発行された物を提出するなどの制限があります。
不動産会社によっては、収入を証明する書類はこの書類を提出してくださいと指定してくるケースもあるので、審査の際は必ず事前に確認しておくことがおすすめです。
調べる内容③過去に家賃滞納をしていないか
審査で調べられる内容3つ目は、「過去に家賃滞納をしていないか」です。
大家さんや保証会社は絶対に家賃を滞納されたくないと考えているため、基本的にどこの保証会社を利用したとしても、過去に家賃の滞納をしていないかは、チェックをされます。
そのため、ここ5年以内で家賃を滞納したことがある方は、できることなら家賃を滞納した不動産会社、保証会社の利用は避けた方が無難です。
仮に滞納したのが1回だけで特別な事情があったのだとしても、厳しい会社であればそれを理由に審査に落とされてしまうことがあります。
また、利用する会社によっては他社と家賃滞納者のデータを、他社と共有しているケースもあるので要注意です。
なお、5年よりも昔の滞納であれば、データが残っておらず審査には関係してこないことが多いです。
調べる内容④記載されている緊急連絡先に問題はないか
審査で調べられる内容4つ目は、「記載されている緊急連絡先に問題はないか」です。
緊急時に本人との連絡が取れない場合に使用される緊急連絡先。
審査の際には有事に備えて緊急連絡先の番号に間違いがないか、電話をかけてチェックが行われます。
緊急連絡先は審査に影響してくる要素ではないため、仮に嘘や間違いの電話番号を記載していてもそれを理由に審査に落とされることはありません。
しかし緊急連絡先を確認された際に、連絡がつかないとなると間違っている可能性を指摘され、他の連絡先を提出するよう求められるので注意が必要です。
スムーズに審査を終えたい場合は、緊急連絡先であっても嘘を記載しないようにしましょう。
【ケース別】賃貸保証会社の入居審査に落ちた時の対処方法
ケース別に保証会社の入居審査に落ちたときの対処方法を紹介します。
信販系・全国賃貸保証業協会・賃貸保証機構それぞれに落ちた際の対処方法は、下記のとおりです。
- 信販系:信販系以外の保証会社で審査を依頼する
- 全国賃貸保証業協会:賃貸保証機構に加入している会社を選ぶ
- 賃貸保証機構:助言を受け入れて物件を探しなおす
信販系:信販系以外の保証会社で審査を依頼する
信販系の保証会社で審査に落ちてしまった場合は、信販系以外の保証会社に審査を依頼するか、他の保証会社で審査が受けられるお部屋を選び直すことがおすすめです。
信販系の保証会社は、他のタイプの保証会社と違い特別審査が厳しく行われる傾向にあります。
そのため過去にクレジットカードや家賃の滞納をしている方や社会的信用が低い職業に就いている方は、問題なく家賃を支払っていけるだけの収入があっても審査に落とされてしまうことがあります。
信販系で審査に落ちる人は少なくないため、落ちてしまっても落ち込まずに他の会社に審査を依頼しましょう。
信販系の保証会社
- 株式会社エポスカード
- 株式会社アプラス
- オリエントコーポレーション
- 株式会社セゾン
- 株式会社ジャックス
- 株式会社セディナ
全国賃貸保証業協会:賃貸保証機構に加入している会社を選ぶ
全国賃貸保証業協会の審査に落ちてしまった場合は、賃貸保証機構に加入している会社を選び再度審査を受け直すことがおすすめです。
なぜかというと、全国賃貸保証業協会よりも賃貸保証機構に加入している会社の方が審査が緩い傾向があるからです。
そのため、全国賃貸保証業協会で審査を受け落とされてしまったという方であっても、賃貸保証機構の会社であればスムーズに審査に受かる可能性があります。
保証会社の審査に落ちることは珍しいことではないため、落ちてしまっても落ち込まずに次に進めましょう。
全国賃貸保証業協会の保証会社は、下記の通りです。
全国賃貸保証業協会の保証会社
- アーク株式会社
- エルズサポート株式会社
- 株式会社アルファー
- 株式会社近畿保証サービス
- 株式会社エイト賃貸保証
- 全保連株式会社
- ジェイリース株式会社
- 興和アシスト株式会社
- 株式会社宅建ブレインズ
- ホームネット株式会社
- 株式会社ランドインシュア
- 株式会社ルームバンクインシュア
賃貸保証機構:助言を受け入れて物件を探しなおす
賃貸保証機構の審査に落ちてしまった場合は、何がダメだったかやこうした方が良いという助言を貰えるケースが多いため、助言を受け入れて物件を探し直すことがおすすめです。
賃貸保証機構に分類される保証会社の多くは、社会的信用が低い職業に就いている方や収入が多くない方のように賃貸審査に通過することが難しい方の支援に力を入れています。
そのため、他社では落とされても何もないのに対して、賃貸保証機構では落ちた方に助言をしてくれるケースが多いのです。
落ちてしまった場合そのお部屋は借りられませんが、探せば他のお部屋を借りることができるため、冷静になって次のお部屋を探しましょう。
審査が緩い保証会社
- ジェイリース
- ナップ賃貸保証
- いえらぶパートナーズ
- 新日本信用保証株式会社
- 株式会社イントラスト
- 株式会社宅建ブレインズ
- フォーシーズ株式会社
- 日本セーフティー株式会社
- 株式会社Casa
- 株式会社オーロラ
- ハウスリーブ株式会社
賃貸保証会社の審査内容についてよくある質問
最後に賃貸保証会社の審査内容についてよくある質問をまとめて紹介していきます。
今回紹介するのは、下記の3つ質問です。
賃貸保証会社の審査内容についてよくある質問
- 審査に甘い賃貸保証会社はありますか?
- ブラックリストに載っていると賃貸保証会社の審査に落ちる?
- 無職でも賃貸保証会社の審査に通りますか?
審査に甘い賃貸保証会社はありますか?
一般的に賃貸保証機構にあてはまる会社は、審査が甘い傾向があると言われています。
なぜなら保証機構にあてはまる会社は、信販系の保証会社や全国賃貸保証業協会などとは違い、カードローンの滞納履歴といった情報いわゆるブラックリストをチェックしないからです。
そのため、賃貸保証機構であれば過去にカードローンや家賃を滞納してしまった履歴がある方であっても審査に通過できる可能性があります。
賃貸保証機構の賃貸保証会社は、それぞれ独自の基準で審査を行っているため、仮に1つの保証会社で審査に落とされてしまっても他の会社では審査に通過できる可能性が高いです。
審査に甘い会社を利用したいと考えている方は、賃貸保証機構の会社が利用できるお部屋を選ぶようにしましょう。
ブラックリストに載っていると賃貸保証会社の審査に落ちる?
ブラックリストに載っているからといって、必ず審査に落ちるわけではありません。
確かに過去に家賃の滞納やクレジットカードの滞納などをして、ブラックリストに載っている場合、利用する保証会社によっては審査に落ちやすくなるケースがあります。
しかしブラックリストに載っていたら必ず審査に落ちるわけではないため、過去に滞納歴があり自分がブラックリストに載っている可能性が高かったとしても不安に感じる必要はありません。
ブラックリストに載っている確信がある場合は、ブラックリストに載っているかどうかの調査をせずに、独自の判断基準で審査を行っている賃貸保証機構が利用できるお部屋を選ぶことがおすすめです。
無職でも賃貸保証会社の審査に通りますか?
無職だとしても保証会社の審査は必ず落ちるとは限らず、利用する保証会社によっては無職であっても審査に通ります。
人によっては事情があり、無職状態でお部屋を探さなければいけない方もいるかと思います。
無職というだけで審査が落ちると決まっているわけではないため、受ける前から諦めてしまわずに審査を受けてみましょう。
賃貸の審査時には自分の職業を記入する欄が用意されているため、無職なことは必ずバレてしまいます。
無職だけどどうしても今すぐお部屋を借りる必要があるという場合には、不動産会社の方に事情があって無職をしていることを話してみることがおすすめです。
不動産会社によっては、無職であっても審査に通りやすい保証会社を選んでくれる可能性があります。
【まとめ】賃貸保証会社の入居審査は何を調べる?
本記事では、賃貸保証会社の入居審査では何を調べるのかについて紹介しました。
いかがだったでしょうか?
賃貸保証会社の入居審査では、支払い能力があるかや、勤務先情報、過去の滞納歴などをチェックされます。
無職や過去に滞納歴があるという場合には審査に通過することが難しくはなりますが、絶対に審査に落ちるというわけではありません。
特殊な事情がある方であっても、保証会社によっては審査に通過できるため、落とされても落ち込まないようにしましょう。
本記事が、賃貸保証会社の利用に不安を感じている方のお役に立てれば幸いです。