利用者Sさん
利用者Iさん
最近では賃貸を契約する際に保証人ではなく保証会社を利用するケースが増えてきましたが、保証会社の審査では何を調べられるのでしょうか?
保証会社の審査を問題なく通過できるか不安を感じている方は少なくないでしょう。
本記事では、保証会社の入居審査では何を調べるのかについて詳しく紹介していきます。
- 保証会社が審査で調べている項目
- 保証会社の審査が存在する理由
- 入居審査に通過するためのコツ
目次
賃貸保証会社とは?
賃貸保証会社とは、賃貸の契約者がお部屋の家賃を滞納してしまった際に、家賃を支払ってくれる会社です。
以前は保証人を立てられない方が賃貸契約時に利用するサービスでしたが、最近では大家さん側から保証会社の利用が必須とされている物件も増えてきました。
保証会社の利用には、家賃の何パーセントかの料金を契約時に支払う必要があり、年単位でも1万円前後の利用料金がかかります。
保証会社を利用すると、自分が家賃を滞納した際に大家さんへ家賃を支払ってもらえますが、支払いはあくまでも立て替えであって、滞納分を支払わずに済むわけではありません。
賃貸保証会社の種類
賃貸保証会社は、大きく分けると以下の3つの種類に分類されます。
保証会社の種類 | 審査難易度 | 該当する保証会社 |
---|---|---|
信販系 | 高い | オリコフォレントインシュア・エポスカードなど |
信用系(LICC加盟系・協会系) | やや高い | エルズサポート株式会社・全保連株式会社など |
独立系 | 低い | 日本セーフティー・フォーシーズなど |
信販系の保証会社では、審査で信用情報や滞納歴までチェックを行うため審査難易度が高く、独立系保証会社は各社独自の基準で審査を行うことから審査がゆるいとされています。
大家さんとの違い
賃貸保証会社と大家さんは全くの別物です。
具体的には以下のような点に違いがあります。
審査先 | 役割 | 審査の順番 |
---|---|---|
大家さん | 入居者や建物の管理 | 賃貸保証会社の後 |
賃貸保証会社 | 入居者が家賃を滞納した際、費用を大家さんに立て替えること | 大家さんより先 |
大家さんは入居者や建物、経営資金の管理などが主な役割なのに対して、賃貸保証会社の役割は入居者が家賃を滞納した際に滞納分の費用を大家さんに立て替えることです。
また、審査する順は賃貸保証会社の契約が入居条件とされている場合、必ず先に保証会社の審査が行われます。
保証に含まれる範囲
賃貸保証会社とは、入居者が何らかの事情で家賃や退去費を支払えなくなった時に、入居者の代わりに大家さんへ支払う役割を負う会社です。
保証に含まれる範囲は保証会社ごとに違いますが、入居者の滞納した費用全てが保証に含まれるケースがほとんどです。
保証料を支払うのは入居者ですが、滞納時入居者に代わって保証会社が立て替えた費用は、後々入居者に請求されます。
入居者にとっては保証会社へ支払うか大家に支払うかは些細な違いであり、保証に含まれる範囲はあまり気にする必要はありません。
滞納分を保証会社が立て替えてくれた場合にも、滞納した事実は変わらないため契約解除となります。
賃貸保証会社は審査で何を調べる?
保証会社で審査の際に調べられる内容は、会社によって違います。
どこの会社でも調べられることが多い項目は下記の5つです。
賃貸保証会社が入居審査で調べる内容5つ
- 勤務先の在籍
- 収入による支払い能力の有無
- 過去の家賃滞納歴
- 緊急連絡先の有無
- 連帯保証人の有無
虚偽の勤務先ではないか
どこの保証会社でも、在籍証明書に記載された勤務先が間違っていないかは確認されます。
在籍証明書とは会社に在籍していることを証明する書類です。
保証会社の審査では、契約者が家賃を無理なく支払っていけるか、滞納しないかをチェックするために、月収・年収と共に勤務先が本当に実在するのか確認されます。
支払能力は十分にあるか
保証会社の審査では、必ず支払い能力が十分にあるかを確認されます。
家賃ごとに求められる年収の目安は、以下の通りです。
家賃 | 年収の目安 |
---|---|
5万円 | 180万円 |
7万円 | 252万円 |
10万円 | 360万円 |
15万円 | 540万円 |
20万円 | 720万円 |
家賃に見合った収入がないと審査の通過は困難です。
過去に家賃滞納歴はあるか
保証会社の審査では、過去に家賃滞納歴があるかもチェックされます。
1度でも家賃を滞納した保証会社の審査は突破できないので、滞納歴がある方は滞納時に利用していた保証会社を避けましょう。
独立系保証会社では自社での滞納歴以外確認されませんが、信販系や協会系では他社での滞納歴も確認されることがあります。
連帯保証人に問題はないか
連帯保証人を立てる場合に限り、連帯保証人として適切な相手を選んでいるかも確認されます。
連帯保証人とは、賃貸の契約者が滞納した際に責任を負う役割のことで、契約者と同様に審査があります。
連帯保証人の審査項目
- 十分な収入があるか
- 安定した仕事に就いているか
- 過去に滞納歴がないか
- 連絡がとれるか
審査基準が満たせていない相手を連帯保証人に指定すると、審査に落とされたり連帯保証人を変更させられたりするので注意しましょう。
緊急連絡先に問題はないか
審査では、有事に備えて緊急連絡先の番号に間違いがないかチェックされます。
緊急連絡先は審査結果に影響を及ぼす要素ではなく、間違った電話番号を記載していても審査に落とされることはありません。
しかし緊急連絡先を確認された際に連絡がつかないと、ほかの連絡先を提出するよう求められるので注意が必要です。
賃貸保証会社の審査が必要な理由
一昔前までは、保証会社よりも連帯保証人を立てて賃貸契約するケースが一般的でした。
しかし、現在では連帯保証人よりも保証会社と契約するケースが一般的になっています。
賃貸保証会社の審査が必要な理由としては、以下のような理由が挙げられます。
賃貸保証会社の審査が必要な理由
- 多くの物件で保証会社を必須としている
- 家賃の回収もれを生じさせないため
多くの物件で賃貸保証会社の利用を必須としている
一昔前までは、賃貸保証会社を利用するのは一部の連帯保証人が立てられない事情を抱えている方だけでしたが、2020年に実施された民法の改正によって保証限度額が設定されていない保証契約は無効になりました。
民法の改正によって以前よりも連帯保証人を立てることが難しくなったため、現在では多くの賃貸物件が保証会社の利用を必須としています。
保証会社が必須の物件では、連帯保証人を立てられる方でも必ず保証会社と契約しなければいけません。
家賃の回収もれを生じさせないため
賃貸保証会社が、利用者の審査を実施している最大の理由は家賃の回収もれを生じさせないためです。
保証会社は利用者が家賃を滞納した場合、大家さんに対して費用の立て替えを行いますが、立て替えは一時的なものであり保証会社が代わりに支払った費用は後で入居者が保証会社へ支払わなければいけません。
保証会社では利用者から家賃の回収もれを生じさせないために、支払い能力があるかといった確認を実施しています。
賃貸保証会社の審査に通過するための5つのポイント
賃貸保証会社の審査通過のために重要なポイントを紹介します。
審査を受ける際は、下記の4点を意識しましょう。
保証会社の審査に通過する4つのポイント
- 手取り1/3以下の物件を探す
- 連帯保証人をたてる
- 貯金残高を提示する
- 運転免許証や国民健康保険証の内容
月の手取り3分の1以下の家賃で住める物件を探す
お部屋を選ぶ際は、家賃が手取り月収の3分の1以下に収まるお部屋を選ぶことが重要です。
なぜなら保証会社の審査では、申込者の支払い能力を判断する際に、手取り月収が家賃の3倍以上あるかをチェックしているからです。
3分の1の目安をちょっとでも超えたらその時点で落ちるわけではありませんが、目安を超えてしまうと審査難易度が大きく上がるので注意しましょう。
手取り月収が少ないといった事情でどうしても家賃が目安を超えてしまう場合には、連帯保証人をたてることがおすすめです。
信用情報に傷がなく審査の厳しい保証会社も利用できるなら、目安を上回ってしまっていても受かる可能性があります。
連帯保証人をたてる
最近では保証人をつけずに保証会社だけで賃貸契約をする方は増えてきていますが、可能なら連帯保証人をたてて審査へ申し込むことがおすすめです。
保証人をたてておくと保証会社は滞納分を回収できる確率が上がり、審査に通過しやすくなるからです。
責任の重い役割ではありますが、家賃を滞納しない限りは迷惑がかかることはありません。
親族に正社員として勤務している人がいるのであれば、連帯保証人になってもらえないか確認してみましょう。
預金残高を提示する
もしも収入が少なかったり収入に波があったりするのであれば、収入だけでなく貯金残高も一緒に提示して支払い能力の高さを示すことがおすすめです。
収入が少なかったり収入に波があったりする人は支払い能力が低いと判断されてしまい、そのままだと審査に落とされるからです。
まとまった貯金があるなら、貯金も支払い能力の判断材料になるので、不動産屋へ相談してみましょう。
預貯金残高で支払い能力を示せるのは貯金100万円以上からで、100万円以下の場合は貯金があっても支払い能力に繋がらない可能性があります。
なお、貯金残高で支払い能力を示す際は、預貯金通帳のコピーの提出が必要になるため嘘をつくことはできません。
運転免許証や国民健康保険証の内容
厳しい保証会社の審査では、運転免許証や国民健康保険証に記入されている内容までチェックされます。
理由は、運転免許証からは過去に運転免許証を紛失し再発行した回数、国民健康保険証からは保険料の滞納の有無が確認できるからです。
運転免許証を紛失した経験があると大切な物も無くすような人だと思われ、国民健康保険証の保険料を滞納していると家賃も滞納する恐れがある人だと判断されてしまいます。
運転免許証は対処できませんが、国民健康保険証は滞納分を支払いきることで解決できるため、引っ越しを急いでいない場合は滞納分を払い終わらせてから引っ越すと良いでしょう。
賃貸保証会社の入居審査に落ちた場合は?
保証会社の入居審査に落ちた場合の対処方法は、下記のとおりです。
- 信販系以外の保証会社で審査する
- 賃貸保証機構に加入している会社を選ぶ
- 助言を受け入れて物件を探しなおす
信販系以外の保証会社で審査する
信販系の保証会社で審査に落ちてしまった場合は、信販系以外の保証会社に審査を依頼するか、ほかの保証会社で審査が受けられるお部屋を選び直すことがおすすめです。
信販系の保証会社は、ほかのタイプの保証会社と違い特別審査が厳しく行われる傾向にあります。
過去にクレジットカードや家賃の滞納をしている方や社会的信用が低い職業に就いている方は、問題なく家賃を支払っていけるだけの収入があっても審査に落とされてしまうことがあります。
信販系で審査に落ちる人は少なくないため、落ちてしまっても落ち込まずにほかの会社へ審査を依頼しましょう。
信販系の保証会社
- 株式会社エポスカード
- 株式会社アプラス
- オリエントコーポレーション
- 株式会社セゾン
- 株式会社ジャックス
- 株式会社セディナ
賃貸保証機構に加入している会社を選ぶ
全国賃貸保証業協会の審査に落ちてしまった場合は、賃貸保証機構に加入している会社で再度審査を受け直すことがおすすめです。
全国賃貸保証業協会よりも賃貸保証機構に加入している会社の方が審査はゆるい傾向があるからです。
全国賃貸保証業協会で審査を受け落とされてしまったという方であっても、賃貸保証機構の会社であればスムーズに受かる可能性があります。
保証会社の審査に落ちることは珍しいことではないので、落ちてしまっても落ち込まず次に進めましょう。
全国賃貸保証業協会の保証会社は、下記の通りです。
全国賃貸保証業協会の保証会社
- アーク株式会社
- エルズサポート株式会社
- 株式会社アルファー
- 株式会社近畿保証サービス
- 株式会社エイト賃貸保証
- 全保連株式会社
- ジェイリース株式会社
- 興和アシスト株式会社
- 株式会社宅建ブレインズ
- ホームネット株式会社
- 株式会社ランドインシュア
- 株式会社ルームバンクインシュア
助言を受け入れて物件を探しなおす
賃貸保証機構の審査に落ちてしまった場合は、何がダメだったかやこうした方が良いという助言を貰えるケースが多いため、アドバイスに従ってお部屋探しをやり直すことがおすすめです。
賃貸保証機構に分類される保証会社の多くは、社会的信用が低い職業に就いている方や収入が多くない方のように賃貸審査の通過が難しい方の支援に力を入れています。
他社では落とされても何もないのに対して、賃貸保証機構では落ちた方に助言をしてくれる傾向があります。
落ちたお部屋は借りられませんが、探せばほかのお部屋を借りられるので、冷静になって次のお部屋を探しましょう。
審査がゆるい保証会社
- ジェイリース
- ナップ賃貸保証
- いえらぶパートナーズ
- 新日本信用保証株式会社
- 株式会社イントラスト
- 株式会社宅建ブレインズ
- フォーシーズ株式会社
- 日本セーフティー株式会社
- 株式会社Casa
- 株式会社オーロラ
- ハウスリーブ株式会社
賃貸保証会社の審査手順
賃貸保証会社の審査にかかる期間は?
賃貸保証会社の審査にかかる期間は、3~7日前後だといわれています。
2~4月の引っ越しシーズンには、審査申し込み者が倍増するためこの限りではありませんが、通常時であればほとんどの場合申し込んでから1週間以内に返事が返ってきます。
審査に申し込んでから1週間経っても返事が来ない時は、申込に失敗している可能性や連絡が行き違いになっている可能性も考えられるので、一度不動産屋に相談すると良いでしょう。
なお、審査の結果が返ってくるまでの時間で結果の予想はできません。
賃貸保証会社の審査内容についてよくある質問
最後に賃貸保証会社の審査内容についてよくある質問をまとめて紹介していきます。
今回紹介するのは、下記の3つの質問です。
賃貸保証会社の審査内容についてよくある質問
- 無職でも保証会社の審査に通る?
- 保証会社の審査に落ちる理由は?
- 賃貸保証会社の審査に落ちる確率は?
- 賃貸保証会社は自分で選べる?
無職でも賃貸保証会社の審査に通りますか?
無職だとしても保証会社の審査は必ず落ちるとは限らず、利用する保証会社によっては無職であっても審査に通ります。
人によっては事情があり、無職状態でお部屋を探さなければいけない方もいるかと思います。
無職というだけで審査が落ちると決まっているわけではないため、受ける前から諦めてしまわずに審査を受けてみましょう。
賃貸の審査時には自分の職業を記入する欄が用意されているので、無職なことは必ず気がつかれてしまいます。
無職だけどどうしても今すぐお部屋を借りる必要があるという場合には、不動産会社の方に事情があって無職をしていると話してみることがおすすめです。
不動産会社によっては、無職であっても審査に通りやすい保証会社を選んでくれる可能性があります。
賃貸保証会社の審査に落ちる理由は何がありますか?
落ちる理由としては、下記のような理由があります。
賃貸保証会社の審査に落ちる理由
- 支払い能力が低いと判断された
- 信用情報から滞納を危険視された
- 提出した申込書に間違いがあった
- 過去のトラブルや犯罪歴に気がつかれた
落ちる理由はさまざまですが、どこの保証会社を利用している場合にも落ちた理由は明かされないため、自分で考える必要があります。
賃貸保証会社の審査に落ちる確率はどのくらい?
審査に落ちる確率は全体の10~20%くらいだといわれています。
10人審査を受けたら1~2人ほど落とされる計算です。
割合でみると落ちる人の方が少ないと感じるかもしれませんが、落ちることは珍しいことではありません。
審査に落ちた後で何回審査を受け直しても落ち続ける人はほとんどおらず、最終的にはどこかしらのお部屋が借りられます。
賃貸保証会社は自分で選べますか?
保証会社は基本的に自分で選べません。
なぜなら、保証会社は大家さんや管理会社が決める物だからです。
基本的にはどのお部屋でも利用できる保証会社は2社以上用意されており、審査難易度が高い方から審査を受けていくことになります。
特別利用を避けたい保証会社がある場合は、物件詳細を確認する際に利用できる保証会社が記載されているためしっかりと確認しましょう。
【まとめ】賃貸保証会社の審査を通過するには雇用や年収に一定値が必要
保証会社の審査では、現在の収入状況や職種、雇用形態などがチェックされ、通過するには各項目の基準を満たしている必要があります。
収入に見合わない家賃の物件を選ぶと審査の通過は困難になるので注意しましょう。
保証会社の審査が不安な方は、アリバイ会社の利用がおすすめです。
アリバイ会社とは、賃貸審査を有利にするアリバイを提供するサービスで、利用することで審査の突破をより確実なものにできます。
入居審査に落ちた経験がある方や落ちるかもと不安を感じる方は、ぜひアリバイ会社の利用を検討してみてください。