フリーランスになると賃貸の契約が難しくなるという噂がありますが、実際のところはどうなのでしょうか?

駆け出しのフリーランスだと賃貸を契約することはできないのでしょうか?
本記事では、フリーランスになりたては賃貸を契約することができるのかについて詳しく紹介していきます。

この記事を読んでわかること
  • フリーランス1年目でも賃貸は借りられる!
  • 収入を証明することが難しく審査の難易度は高め
  • 落ちてしまった場合は親族に連帯保証人を依頼する

フリーランスになりたての1年目は賃貸契約が難しい

フリーランスになりたての1年目は賃貸契約が難しい

結論から書くと、やはりフリーランスになりたての1年目は賃貸の審査が通りにくいと言われています。
なぜかというと、フリーランス1年目は、始めたばかりという事情からこれまでのフリーランスとしての月収を証明することが難しいからです。

お部屋を借りようと考える時点でお金に困っていないという方が多いかと思いますが、お部屋を貸す側は安定して家賃を支払い続けられる十分な稼ぎがあるかわからない人にはできればお部屋を貸したくないと考えています。

2年目であれば、フリーランスとしての月収・年収を証明することができるため、引っ越しを急いでいない場合は、お金を貯めながら2年目を待つこともおすすめです。

フリーランス2年目なら賃貸契約に通りやすい

フリーランス2年目なら賃貸契約に通りやすい

フリーランス1年目の人が賃貸審査を通りにくい最大の理由は、前年度の稼働実績がなく収入を証明するのが困難だからです。

そのため、自営業になってから最初の確定申告を済ませた後の2年目以降であれば、納税証明書や確定申告書の写しで収入を証明でき、審査に通過しやすくなります。

納税証明書や確定申告書の写しを発行できるようになる時期は以下の通りです。

収入証明書の種類 発行できる時期
納税証明書 確定申告を行ってから約2週間後
確定申告書の写し 2年目の2月16日~

確定申告書の控えは、確定申告を行えば発行を依頼せずとも自宅まで送られてきますが、納税証明書は自分で発行を申請しなければ届きません。

基本的には確定申告書の写しだけで問題ありませんが、納税証明書の提出を求められた場合は自分で発行を申請してください。

収入を証明する書類は、仲介業者から指示された書類を提出するようにしましょう。

フリーランスになりたてでも賃貸を契約する方法

フリーランスになりたてでも賃貸を契約する方法

フリーランスになりたてでも賃貸を契約する方法を紹介します。

フリーランスになりたての人が賃貸審査を通過させる方法

  • 「フリーランス」とは記載しない
  • 業務先に在籍確認に対応してもらう
  • 連帯保証人をたてる
  • 預金残高の写しを審査に通す
  • 前職の源泉徴収票を提示する
  • 住民税・所得税の課税証明書を提出する
  • 家賃を手取り報酬の4分の1以下まで抑える
  • 身だしなみや態度に気をつける
  • アリバイ会社に依頼する

「フリーランス」とは記載しない

フリーランスになりたての人が審査を通過させる方法1つ目は、「職業欄はフリーランスと書かずに具体的な職種を書く」です。

フリーランスとして働いている方は、職業欄にフリーランスと書かれる方が多いですが、入居申込書の職業欄はライターやプログラマーなどのようにはっきりと職業を書くことがおすすめです。

なぜかというと、具体的な職種を書いた方が自分がどんな仕事をしている人間なのか不動産会社の方や大家さんに知ってもらうことができるからです。

お部屋を貸す側はよくわからない仕事をしている方にお部屋を貸したいとは思いません。
職業欄を書く際は、できるだけ具体的な職種で書くようにしましょう。

業務先に在籍確認に対応してもらう

フリーランスになりたての人が審査を通過させる方法2つ目は、「業務先に在籍確認に対応してもらう」です。

常駐形式で働いており、業務先に在籍確認を頼める場合には、できる限り業務先に在籍確認対応をしてもらえるよう依頼することがおすすめです。

業務先に在籍確認対応をしてもらうことができれば、組織に在籍することなく働いているフリーランスの方であっても信用度が高まり、審査の通過率を上げることができます。

在籍確認を頼めるような業務先がある方は、引っ越しで在籍確認が必要になる事情を話し協力を求めてみましょう。

なお、フリーランス専門のエージェントを利用している場合には、エージェントに在籍確認を依頼することも可能です。

連帯保証人をたてる

可能な場合は連帯保証人をたてて審査を受けることをおすすめします。
連帯保証人をたてていた方が支払い能力が上がるため審査に通過しやすくなるからです。

フリーランスの人は会社勤めの人と比べて審査に落とされやすい傾向があるため、親族に頼める場合には連帯保証にを立てることも検討してみてください。

連帯保証人を頼める相手の条件は、以下の通りです。

連帯保証人の条件

  • 2親等以内の親族(祖父母・父母・兄弟・姉妹)
  • 自分と同等またはそれ以上の安定した収入がある
  • 過去に滞納や破産歴がない

預金残高の写しを審査に通す

フリーランスになりたてで賃貸を契約する方法3つ目は、「預金残高の写しを審査に通す」です。
フリーランス1年目の場合は、前年度の収入がないことから収入の証明が困難です。

しかし、貯金がある場合には預貯金審査を申し出て、現在の貯金残高で審査を受ける方法があります。

家賃 必要になる貯金の目安
3万円 72万円
4万円 96万円
5万円 120万円
6万円 144万円
7万円 168万円

貯金がある場合には預貯金審査の利用も検討してみてください。
なお、預貯金審査には対応していない物件も多く、預貯金審査を申し出ても断られる場合があります。

前職の源泉徴収票を提示する

フリーランスになりたてで賃貸を契約する方法4つ目は、「前職の源泉徴収票を提示する」です。
フリーランスになりたての場合は、前職の源泉徴収票を提示することで、フリーランスになる直前まで安定した継続収入があったと証明できます。

フリーランスとして働き始める前にサラリーマンやOLとして働いていた方は、審査を受ける前に源泉徴収票も用意しておきましょう。

源泉徴収票を無くしてしまっている場合は、勤めていた会社の経理担当部署に再発行を依頼すると前年度の源泉徴収票を用意してもらえます。

家賃を手取り報酬の4分の1以下まで抑える

フリーランスになりたての人が審査を通過させる方法6つ目は、「家賃を手取り報酬の4分の1以下まで抑える」です。
審査の難易度とお部屋の家賃は比例しています。

そのため、フリーランスになりたてで審査に通過できるか不安という方は、家賃を手取り報酬の4分の1以下まで抑えることがおすすめです。

一般的には、家賃は手取りの3分の1以下を目安にするのがベストと言われており、審査の際にもその基準で収入が十分かどうかを判断されます。

家賃を手取りの4分の1以下まで抑えていれば、生活費にはかなりゆとりができることから審査に通過できる確率が高いです。

身だしなみや態度に気を付ける

フリーランスになりたての人が審査を通過させる方法7つ目は、「身だしなみや態度に気をつける」です。
これはあまり把握している方が多くありませんが、実は不動産会社の方はお部屋を借りに来た方の服装や態度をチェックしています。

そのため、何日も洗濯をしていないような汚い服を着ていったり、とても社会人とは思えないような横暴な態度をスタッフに取ったりすると、この人にはお部屋を貸したくないと考えられ審査に落ちる確率が高まります。

不動産会社の方と顔を合わせる際と電話の際だけで良いので、お部屋が借りられるまでは服装や態度に気をつけるようにしましょう。

アリバイ会社に依頼する

フリーランスになりたての場合、対策を取っても審査に通過するのは困難なため、アリバイ会社の利用をおすすめします。

アリバイ会社とは、フリーターやフリーランスなどの職業だけで賃貸契約が困難な人に対してアリバイを提供するサービスです。

アリバイ会社を利用すれば、駆け出しフリーランスの方でも実在する会社の正社員として審査に申し込めます。

収入の証明や在籍確認もアリバイ会社がまとめて対応してくれるため、審査に落ちる可能性は限りなく低くなります。

借りられる部屋ではなく借りたい部屋を選びたい場合、預貯金審査を受けられるほどの貯金がない場合にはアリバイ会社の利用を検討してみてください。

フリーランスになりたてで賃貸契約に落ちた際の対処法

フリーランスになりたてで賃貸契約に落ちた際の対処法

フリーランスなりたてで賃貸審査に落ちてしまった時の対処法を紹介します。
もしも審査を受けて落ちてしまった際は、下記の対処法を参考にしてください。

フリーランスになりたてで賃貸審査に落ちてしまった時の対処法

  • 親族に代理契約をしてもらう
  • フリーランスの契約実績がある仲介業者に相談する

親族に代理で契約を依頼する

審査に落ちてしまった場合の対処法1つ目は、「親族に代理契約を依頼する」です。
もしも親や兄弟に安定した収入がある方がいるなら、代理契約をしてもらうことがおすすめです。

代理契約とは、名前の通り自分以外の人にお部屋を契約してもらい、他人名義で契約されたお部屋に自分が住む契約方法です。

代理契約を利用すれば、駆け出しのフリーランスのように賃貸審査が特別厳しい方であってもスムーズにお部屋を借りることができます。

事前に不動産会社に事情を説明した上で代理契約を結べば、違約金や強制退去といったトラブルには発展しないため、頼れる親族がいる方は検討してみましょう。

なお、無断で代理契約を結ぶ行為は、契約違反となり気付かれた際にトラブルになるためおすすめできません。

フリーランスの契約実績がある仲介業者に相談する

落ちてしまった場合の対処法2つ目は、「フリーランスの契約実績がある仲介業者に相談する」です。
賃貸仲介業者は多数存在しますが、業者ごとに得意としている地域や分野は異なります。

仲介業者の中には、フリーランスへの物件紹介を得意としている業者も存在するため、落ちた場合はフリーランスの契約実績がある業者を利用することをおすすめします。

フリーランスへの物件紹介を得意としている業者

  • smeta
  • 中央エステート
  • アップル不動産

フリーランスになりたての賃貸契約に関するQ&A

フリーランスになりたての賃貸契約に関するQ&A

最後にフリーランスになりたての方が賃貸を契約する際によくある質問をまとめて紹介します。
賃貸審査に不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。

今回紹介するのは、下記の3つの質問です。

よくある質問

  • フリーランス1年目は賃貸を借りられない?
  • フリーランスの賃貸契約で必要な書類は?
  • フリーランスはいくら貯金があれば審査に通りますか?

フリーランス1年目は賃貸を借りれない?

フリーランス1年目であっても、賃貸契約を結ぶことは可能です。
しかし、フリーランスになったばかりで収入が安定していない場合、不動産会社や大家さんからは信用度が低く見られることがあります。

そのため契約時には、収入が安定していることを証明するために、保証人を立てることが求められたり通帳のコピーの提出を求められるケースが多いです。

1年目だと絶対に借りられないわけではありませんが、完全にフリーランスとして独立したばかりで貯金も収入もないとなると、借りられない可能性もあることを頭に入れておきましょう。

まだフリーランスとして独立していないのであれば、会社員として働いている間に新居を決めた方が審査がスムーズなことは間違いありません。

フリーランスの賃貸契約で必要な書類は?

フリーランスの方が賃貸を契約する際に必要になる書類は、以下の通りです。

フリーランスが賃貸契約で必要な書類

  • 収入証明書(住民税の課税証明書・所得税の納税証明書・確定申告書の控え・通帳のコピー)
  • 身分証明書
  • 住民票
  • 印鑑登録証明書

収入を証明できる書類は複数ありますが、提出するのは1点で問題ありません。
利用する不動産会社によっては、必要になってくる書類が違ったり、収入を証明する書類を指定されたりするケースがあるため、賃貸契約の際は必ず契約する予定の不動産会社に確認をとるようにしてください。

住民税の課税証明書は無くしてしまっていてもコンビニのマルチコピー機や市役所で再発行が可能です。

フリーランスはいくら貯金があれば審査に通りますか?

フリーランス1年目で収入を証明することができず、貯金額で審査を受ける場合に必要になる貯金額は、下記の通りです。

家賃 必要になる貯金の目安
3万円 72万円
4万円 96万円
5万円 120万円
6万円 144万円
7万円 168万円

なお上記はあくまでも目安であり、貯金額が足りていれば必ずお部屋が借りられると確定しているわけではありません。

利用する不動産会社やお部屋によっては貯金額がいくらあっても安定収入が無ければ契約を断られることもあるので注意しましょう。

【まとめ】フリーランスなりたては賃貸を借りれない?

【まとめ】フリーランスなりたては賃貸を借りれない?

本記事ではフリーランスになりたてで賃貸を契約することは難しいのかについて紹介しました。
いかがだったでしょうか?

フリーランスは社会的信用が低いといった理由から会社員よりも賃貸契約が難しいと言われていますが、フリーランスになりたてであっても賃貸を借りることは可能です。

安定した収入がなかったとしても、家賃の安い物件を狙ったり連帯保証人を用意したりといった対策を取ればお部屋は借りられるので、1度落とされてしまった方もあきらめずに次のお部屋を探してみてください。
本記事がフリーランスになりたてで賃貸を契約しようと考えている方のお役に立てれば幸いです。